苛酷なカザフスタン 。それでも麗しき都市。〜ヌルスルタン〜

ヌルスルタン


カザフスタンは、あまり馴染みがない国の一つだと思います。人々が民族衣装を来ているイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし行ってみるととても先進的で街並みは綺麗。人々は温かく、物価は手頃、加えてご飯は洗練されていてとても美味しいと魅力溢れる国です。イスラム教が約70%を占めますが、宗教色は薄いため、服装は日本とあまり変わりなく飲酒や豚肉を食ベる人も少なくありません。
そんなカザフスタンについてご紹介します。

ヌルスルタン
カザフスタンの首都はヌルスルスタンで、2019年3月にアスタナから改称されました。ヌルスルスタンは近未来都市とも呼ばれ、日本人の黒川紀章が設計した都市としても知られています。

1. バイテレク 

カザフスタン バイテレク

街のシンボルタワー。1997年に首都がアルマトイからアスタナに移転されたことを記念して、97mの高さに展望台があります。展望台にはナザルバエフ前大統領の手形が置かれています。生命の木に、聖なる鳥サムルク(シームルグ)の卵が乗っているデザインとなっています。
Hours: 9:00〜21:00
Address:Байтерек, Nur-Sultan 
Price:700Tr

 

2. ドヴォレツ・ミーラ・イ・ソグラシヤ(ピラミッド)

ピラミッド 平和と調和の宮殿 ドヴォレツ・ミーラ

日本語では「平和と調和の宮殿」。2006年に完成した、黄金比を用いて建てられたピラミッドです。世界伝統宗教指導者会議や民族会議などが開かれる重要な場所でもあります。30分ごとに見学が可能。
Hours: 夏季10:00〜20:00 
    冬季10:00〜18:00
Address:Tauelsizdik Ave 57, Nur-Sultan 

 

3.カザク・イェリ・モニュメント

カザク・イェリ・モニュメント ヌルスルタン

1991年12月にソ連から独立し、カザフ・ソビエト社会主義共和国から現カザフスタン共和国となりました。それを記念して建てられた、高さ91mの塔です。
写真の左手に写る円形の建物は美術大学、右手のダイヤ格子の建物は博物館です。

 

4. Nur alem EXPO2017

Nur alem Expo2017

8階建ての未来エネルギー博物館。ここで2017年のエキスポが開催されました。外装と内装共に、最先端風のオシャレなデザインとなっています。
ひとつ難点はチケット売り場が屋外にあること。氷点下の風が吹く中、チケットを購入しないといけないのはなかなか堪えます。
Hours:火〜金曜日 10:00〜19:00
     土日祝           10:00〜20:00
Price:大人1500Tr,  子供500Tr, 学生800Tr

5. 日本人のお墓

シベリア抑留の際、ここカザフスタンにも数万人の日本人抑留者が連れてこらました。タクシーや道ゆく人との会話で何人と聞かれ、日本人と答えるとみんなgood peopleと返してくれます。これは、抑留されていた日本人が勤勉で熱心に働き高度な技術を有しており、その当時の印象が今に受け継がれているからだそうです。親日家が多いのは先人のおかげです。

6.ヌル・アスタナ・モスク

ヌル・アスタナ・モスク

見学無料。女性はスカーフ等を持っていなくても、無料で羽織ものを借りられます。黄金のドームがとても鮮やかです。
Address:Qabanbay Batyr Ave 36, Nur-Sultan 
Price:無料

 

7.ハーン・シャティー

ハーン・シャティール ヌルスルタン

食品からファッションアイテムまでなんでも揃う大型のショッピングモール。上層階にはプールや遊園地もあります。
Hours:10:00〜22:00
Address:Turan Ave 37, Nur-Sultan 

8.コンタクトニ・ゾオパルク・ストラナ・エノチヤ動物園

アライグマ ヌルスルタンの動物園

筆者オススメの屋内動物園。餌付け用のエサも入場料に含まれています。日本では触れられないような様々な動物と触れ合うことができます。写真のアライグマももちろん触り放題。日本では凶暴な外来種とされていますが、ここの動物たちはみんな人懐っこく穏やかです。
Hours:10:00〜22:00
Price:約550円

 

9.ヌルスルタンの街

ヌルスルタン アスタナ

青い建物がたくさんありますが、同じ青はありません。空の青さを知っているこの地の人々だからこそ造れた美しさでしょう。
青は、平和や友好、独立、空、争いのない世界を表しているそうです。

ご飯

カザフスタンの料理はとても美味しいです。料理が最も洗練されている国のひとつです。羊もほとんど臭みがなく料理され、イタリアンや他国の料理も上品な味付けとなっています。
写真左:べシュバルマク,幅広い麺の上に茹でた牛肉を乗せたもの
写真右:パスタ

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さて、題名にある苛酷たる所以ですが、
◯気温 ヌルスルタンは世界で二番目に寒い首都と言われ、冬は-20℃になることはしばしば、シベリア寒気団の影響で−50℃になることもあります。私が訪れたのは10月下旬でしたが、気温が氷点下でした。外にいるとスマホが電池が残っているにも関わらず電池切れと認識され、強制シャットダウンされて使い物になりませんでした。

◯水 ヌルスルタンのホテルに泊まった際、入浴のために浴槽へ水を貯めると茶色くなりました。水道管の劣化が要因のようです。氷点下の中を歩き回り身体は芯から冷え切っていたため、これは硫黄の温泉だと信じて湯船に浸かりました。水道管網の老朽化や水不足はカザフスタンのほぼ全土で問題になっています。

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◯荒野 バイテレクに登り遠くを見渡すと、街の外には荒野が広がっていることがわかります。カザフスタンはステップ気候に属し、寒さと乾燥から丈の短い草しか育ちません。特にここらはカザフステップと呼ばれています。よくこんな厳しい環境下にこれだけの都市を築いたものです。

気温や水、気候など色々な障害がありながらも、土地の広さを活かした綺麗な都市に発展しています。親日家も多いため良い出会いもあるかもしれません。
次の旅行の候補地としていかがでしょうか^^